日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士  試験対策・勉強方法について【過去問あり】

管理栄養士の たにひら えりこ です。

NST専門療法士資格を取得後、リハ栄養で有名な若林秀隆先生のご講演を拝聴する機会があり
リハビリと栄養の関連について、興味・関心が湧いたことから、回復期へ転職することにしました。
回復期病棟では、脳血管疾患や認知症のため、摂取嚥下障害に陥ってしまった患者さまを
数多く担当するようになりました。

日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士資格を知り
自分の知識を増やし、摂食嚥下障害をより深く理解するために
受験することにしました。

今日は私がおこなった試験対策や勉強方法について記事にしていきたいと思います。

資格取得を悩まれている方や
試験勉強はどこから手を付けようかと悩まれている方の
参考になればと思います。

 

この記事を読んでわかること

①日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士について
②日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 受験資格について
③日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 試験対策と勉強方法
④実際の試験で出題された問題
⑤2018年度 試験会場について
⑥合格後について

 

①日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士について

日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士とは

(認定水準)

第5条 医師、歯科医師あるいはそれに準ずるものによる摂食嚥下リハビリテーション計画を理解し、それに従って摂食嚥下訓練を実施すると共に、その経過や結果を指示者に報告する能力を有し、同時にリスク回避に関して必要な知識と技能を有することを認定水準とする。この水準は摂食嚥下リハビリテーションの基本要素として、摂食機能療法実施時の要求水準を十分に超えるものを想定し、本学会の特色である関連多職種の知識と技能の共通部分を明示するものである。ただし、本認定によるリハビリテーションの実施は、職種ごとに規定された法的制約を超えるものではない。

(一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会HPから引用)

 

つまり、管理栄養士は日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士の資格があっても
吸引などの医療処置を行う事は出来ません。
あくまでも、摂食嚥下障害についての知識が学会の認める
水準をクリアしていることを示してくれる資格です。

 

医師・歯科医師・看護師・ST・歯科衛生士と
患者さんについて相談したり、カンファレンスに参加する場合は
摂食嚥下障害についての知識が必要なので、勉強して損のない内容だと思います。

 

 

②日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士受験資格について

(認定士試験受験資格)
第2条  認定士試験受験資格は以下の3項をすべて満たすこととする。

(1) 本学会会員歴が、受験年の7月31日において、2年以上であること。

(2) 摂食嚥下に関わる臨床または研究歴が、受験年の7月31日において、通算3年以上であること。

(3) 日本摂食嚥下リハビリテーション学会インターネット学習プログラム(以下eラーニングという)全課程の受講を修了していること。

(一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会HPから引用)

学会員になるのに、職種・年齢・性別は問われず、誰でも会員になることが出来ます。

入会金はなく、年会費が5,000円かかり、受験資格を得るまでに2年以上学会に所属する必要があるため
10,000円の費用がかかる計算になります。

 

新卒だと受験までに3年の臨床経験が必要になるので、受験までにかかる費用は15,000円ですね。
eラーニングを受講するのに別費用はかかりません。
他の学会と比較するとリーズナブルな費用だと思います。

 

 

 

 

 ③日本摂食嚥下リハビリテーション認定士 試験対策・勉強方法

・本格的な勉強は約半年間
・勉強はほぼ毎日、子供が寝てからの22時~25時頃まで
・図書館やカフェには行かず、自宅で勉強
・日本摂食嚥下リハビリテーション学会eラーニング対応の問題集は未購入
・eラーニングを全部印刷して章の最後の問題を繰り返し解く
・複雑な章はノートに何度も書き写して暗記
・気管切開患者での留意点と気管カニューレの種類については別資料でも勉強

私の勉強法は「書いて覚える」の一択です。
読むだけで覚えられたらどんなに楽かと思いますが
その方法は私には無理なので、ひたすら書きまくっていました。回り道はありません…。
ノートは下写真のような感じです。

f:id:maruimo:20190126222115j:plain

eラーニングの範囲が広いので、全体的に勉強すると時間がかかりますが
まずは一通り読んで後ろの問題を解いてみます。
すると、複雑で同じような言葉が並んでいて覚えにくい章が
わかってくると思うので、それらの章を重点的に勉強すると良いと思います。

私はとにかく、「構造」と「生理」が苦手で
何度も何度もノートに書いて覚えました
例えば、舌のAの部分を動かすのはどの筋肉とどの神経?
などといった問題に苦戦しました。

その他に苦手だったのは…

・球麻痺と偽性球麻痺の違い
・神経筋疾患
・気管カニューレの種類(どのカニューレだと発声可能か?)
・スクリーニング検査の種類
・VE・VF読影 

も書いて覚えました。

きっとSTさんにとっては簡単な内容だと思うのですが…
管理栄養士の私にとっては、やはり複雑で覚えにくい部分も多かったです。

④実際に出題された問題

試験問題の概要

  • 問題は80問、時間は80分、マークシート方式
  • 5択(1つ選べ、2つ選べ、間違いを選べ、正解を選べ など)
  • 最終問題は症例問題

出題された問題

※試験問題は回収されてしまいますので、覚えているところのみです。
これ出たよなという範囲をざっと挙げてみました。

  • 舌の神経支配について
  • 唾液腺の種類と神経支配について
  • 5期モデル
  • 唾液の1日あたりの分泌量
  • 嚥下反射によっておこる一連の運動について(順序・かかる時間)
  • VEとVFの違い、メリット・デメリットについて
  • 小児の検査の要点について(麻酔をかける部位とか)
  • 声の印象から推測される生理的異常
  • 構音(発音)の印象から口腔・咽頭機能の状態を推測する
  • LSVT法について
  • 意識障害について(JCSのこととか)
  • 摂食嚥下能力グレード/摂食嚥下状況のレベルの違いについて
  • 増粘食品について
  • 食物物性・形態について

合格率・合格ライン

2018年度の受験者数はおそらく490名、合格者数は397名なので
合格率は81%だったようです。
自分が何点取れたのか、合格ラインは何点なのかは
全く発表されないようなので良くわかりませんでした。

⑤2018年度 試験会場について

「ウインクあいち」というビルで行われました。
※2020年度もこちらの会場で試験がおこなわれる予定のようです。
当日は他にも認知症学会の面接会場になっていたようで
とても混んでいました。

私は受付開始の1時間前に到着しました。
1階にオープンカフェ・コンビニ前にベンチが何席かありましたが
すべて満席でした。

地下には何店舗かレストランがありましたが、一般の方も入れる店舗で
アルコールも出されるお店ばかりだったので
試験前に勉強する雰囲気ではないかなと思い
ビルの屋外の中庭のようなところにある石段で持参した資料を読んだり
ここでもノートを見て暗記したところを確認したりしていました。
会場が寒かった時のために持参したホッカイロと
フリースブランケットが役立ちました!

今年度も「ウインクあいち」が会場で、予定通り試験がおこなわれるようなら
受付開始時間になってから行った方が席もあって良いかなと思います。

トイレは各階にありましたが、女性用はやはり混むので
会場に行く前に一度済ませておく方が良いかと思います。

試験会場の会議室は適温で、一人ひとりのスペースもきちんと確保されており
とても快適でした。

⑥合格後について

合格後の手続き

合格後は、登録申請書の提出と20,000円の振り込みが必要です。
それが完了すると、認定証が郵送されてきます。

資格取得してみて

勉強内容は、業務でおこなっていることも多く
栄養の分野も試験範囲なので、有利だったと思います。
しかし、似たような名前が多い「構造」と「生理」は
暗記するのにとても苦労しました。

資格勉強中や、資格取得後は
VE・VF読影をした際により深く理解出来るようになり
カンファレンスでも自信を持って食形態の調整についてや
栄養プランを発言出来るようになれたと思います。

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